続・みかちゃんねる。

愛媛は今治で活動する劇団『未来演劇Kプロジェクト』主宰、キャデラック・ミカ伝説のブログ「みかちゃんねる」の続編。 劇団の活動&公演情報、コメントしようがない小ネタ、息抜きに息子R(12才)のお弁当とか…。てなわけで、読み逃げ上等!

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『セカンド』公演レポ・嵐の千秋楽 ④

変更した動きやセリフ、照明はぶっつけ本番にしては上手く行った気がします。 あはは…これが本当の「ぶっつけ本番」てやつやね。 あはは…。

もう一つの心配要素だった子役は、素晴らしかったね~。
今までで一番いい演技だったと思う。  「全員が泣く」 シーンでは、ゆめがマジ泣き。 セリフは他の子役たちがちゃんとカバーしてました。 でも結局みんな号泣でセリフが聞こえない状態に…(笑)

何とか正樹も倒れることなく芝居は進み…。

クライマックスでは、今まで冷静にふるまってた翔子(ナギ)と弘美(ヒヨリ)の芝居が暴走。
セリフで 「プラス・アルファ」 の感情が爆発してしまうと、他の役者が芝居を受けきれない。 結果としてシーンが別の物になってしまう。  本当はめちゃめちゃ誉めてあげたい。 「迫真の演技で良かった」 と書いてたアンケートもあったけど、やはり演出としては終演後にダメ出しをせざるを得なかったです。

いや~、芝居って怖いね。 ほんと難しい。 そして面白い。

こんな感じで、何とか演じ切りました。  客席からは拍手にまぎれて 『ブラボー!』 の声が聞こえました。
やりきった達成感、正樹のがんばり、最後まで見て下さった客席のみなさんへの感謝、子どもたちの成長、100%の物を見せられなかった悔しさ…。 私たちは混乱した感情のまま、観客の見送りのためロビーへ出ました。

「 ありがとうございましたっ!!」
涙で目の下が真っ黒になった役者たちは、おそらく今までで一番大きい 「ありがとうございます!」という気持ちを持って、一人ひとり見送りました。 すんません、怖かったかもしれませんね…。
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↑( 終演後、ロビーで見送り・満面の笑顔の初日 )

傷だらけの、トラブルだらけの、イチカバチカの10周年公演。 もう、さすがKプロやわ。(笑)
全く私らにふさわしいなと苦笑いです。

この日のことは一生忘れません。 いつかずっと先、この傷が勲章になってたらいいなと思いつつ 「公演レポ・嵐の千秋楽①~④」 を終わります。

やっと「打上げ編」アップできる~♪


※ 長々と書き散らかしましたが、劇団の記録のつもりなのでお許しください。
もし最後まで読んでくれた劇団関係者以外の方は、お疲れさまでした。 目薬さしてお休み下さい。zzz…

『セカンド』公演レポ・嵐の千秋楽 ③

…てなわけで開演しました。 いや、力技で開演させました。(笑)

この 「力技(チカラわざ)」 ってのは隠れたKプロのキーワードでもあります。 まー、作品自体の力技というか、多少の矛盾や細かい点は「勢い」で持っていくスタイルです。 見る側には好き嫌いはあるようですが、好きな方(Kプロファンを自称して下さってる方々)には、この「力技」は快感になっているみたいです。

今回の舞台は「作品の力技」だけでなく、「舞台裏の力技」もフル回転だったわけですが…。

本当にいつどうなるか分からない、冒険に出るみたいな心持で幕が上がりました。

まず、プロローグのダンス。 本来は正樹を入れて6人のところを5人で。 正樹はもうフラフラです。 というか、立ってセリフを言うのが精いっぱいの状態。 飛んだり跳ねたりはおろか、座る・階段を上ることもできません…。 というわけで、ダンスでは正樹の動きを即興で私がやりました。 …はい、方向間違えたー!(笑)
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↑(  妖怪人間ベ○の変身シーン プロローグの3人 )

一方、過呼吸を起こしたゆめは何とか舞台に立って動いてます。 ひとまず安心。

動かない右肩はもともと 「ケガをして島にやってくる」 という設定だったんで、最初は違和感なし。 ただ、やっぱりセリフと動きがぎこちない。 正樹だけじゃなく、全員ね。 もうテンパってるんですよ。

正樹の出番のない時は(ほとんど全ての場に出てるんやけど…)、下手(しもて)の楽屋で待機してる接骨医&麻酔医が治療。 主に痛みどめの注射と麻酔注射です。

そして上手(かみて)でスタンバってる私に、序盤でいきなり伝令が…!
「正樹の腕に注射の針が入らん! みかちゃん、とりあえず出て繋いで!!」(←恭子)
…まじですか!?

正樹が出てくるはずの場面で私が舞台に登場して、舞台上の役者は一瞬固まったけど、事情を察したんでしょう、苦し紛れのアドリブで危機を乗り越えました。

そして2度目。 「みかちゃん、また繋いで!」(←やはり恭子)
今度はアラシ(正樹)が出ないと芝居にならない場面です。 私が出たって多少の時間を稼ぐだけ…。 見てる側にも明らかに不自然に映る。  芝居が壊れる。
「注射は中断! 針抜け! 正樹が出な終わりじゃ!」(←キャデラック)
鬼ですね…。 後で正樹に謝ったけど、これは鬼発言です。 そんな鬼に従って舞台に出た正樹。

そして中盤で、麻酔を打てる回数というか、量が限界を迎えました。 あとは這ってもどうしてもやりきるしかない状態になりました。

公演レポ・嵐の千秋楽④(たぶん最後♪)に続く→

『セカンド』公演レポ・嵐の千秋楽 ②

【14:00】
「15時開演にします。」
電話の向こうの恭子と、舞台袖の役者・スタッフとに、私は同時に告げた。

あと30分がんばってみてダメなら、肩が治ろうが治るまいが、その時点で正樹を連れて帰るように念を押した。
それから30分で正樹を舞台に上げる。  正樹なら例え片腕が動かなくても、立派に「アラシ」を演じきるという確信はあった。  そして共演者もスタッフも、どんな状態で正樹が帰ってきても対応できる…いや、しなければならない。  そのための準備に30分。  これが限度だった。

「アナウンスを入れますか?」 とゆうほが言った。
「いや、 私が出る。」  私はマイクを握って客席に出た。 そして観客の前で土下座した。
役者のケガで開演が遅れていること。  開演を15時ににさせて頂くこと。  帰る方にはチケット代をお返しすること。 もし待って頂ける方が一人でもいたら、その方のために精一杯の舞台を上演することを約束した。

情けないことに涙がこぼれた。

「15時開演」 の言葉に会場がざわめいて、私は身を固くした。  しかし次の瞬間、客席から「がんばれ!」という声が聞こえて、そして拍手が起こった。
決して賞賛の拍手じゃなく、情けない私の姿への同情だったのかもしれない。  私はもう一度、深々と額を床に付けた。


それからの1時間、全員がそれぞれに出来る限りのことをやった。
正樹の肩が入って帰ってきたとしても、本来の動きはできない。  必要最小限のセリフの変更。  一番冷静な若(ツナミ役)が覚えなおしを引き受けた。
立ち位置の変更、それに伴う照明、音響きっかけの調整。  翔子と麻衣が、泣きやまない子どもたちを元気づけ、次第に子どもたちも落ち着きを取り戻した。  舞台監督不在の舞台裏はグッピーさんがチェックをした。
開演前にちょっと差し入れを持ってきただけのはずだった人たちも、スタッフに混じって各階を走り回り、後から来るお客さんに説明と謝罪をしてくれた。

この日のために、灼熱の、そして極寒の稽古場で長い期間練習してきた。 嫌なことも辛い出来事も、全員で乗り越えてきた。 『 何としてでも幕を上げる。』  誰もがその瞬間に向かって奔走していた。


【14:30】
今すぐ正樹を連れて帰るよう、恭子に電話した。 正樹はどうしても肩を治して舞台に立ちたいと訴えているらしい。 私は正樹と直に話した。
「すぐに帰って来い! あとのカバーは何とでもなる。 3時に幕を開けれんかったら私はお客さんの前で切腹せないかんのじゃ!」(←武士か!…でもけっこう本気)

正樹は治療を諦めて帰ると約束した。

スタッフが、お茶と差し入れのお菓子を客席に配りに行く。

感受性の強いゆめが、泣き出過ぎて過呼吸を起こす。 他の子役たちは、ゆめを落ち着かせ、いざとなったら自分たちでセリフのフォローをしようと立ち上がった。
「仲間」と「団結」という意味を、子役たちの姿に学んだ。


【14:45】
正樹、恭子、りんが帰って来る。 接骨医と麻酔医も一緒だった。

「私が帰ってきたけん、もう大丈夫!」 舞台監督の笑顔に一同安心する。 実は恭子がいっぱいいっぱいである事は分かっていた。


【14:50】
青白い正樹の顔に舞台化粧を施す。  ドーランを塗ったばかりの正樹の頬を涙が伝った。
りんがガムテープ(笑)でテーピングをする。
医師たちは楽屋で待機。  舞台と同時進行で治療にあたることになった。

 
【14:55】
本ベル~開演アナウンス。教育長による挨拶。
夕方からの職務のため帰ったはずの教育長さんは、実は1階で待ってくれていた。
「皆さん、待っていて下さって本当にありがとうございます。」 観客に向けた教育長さんの言葉が聞こえた。

有り難いことに、帰ったお客さんは殆どいなかった。


【14:53】
私、翔子、真帆が舞台に板付く。3人のダンスでプロローグが始まる。

緞帳が上がる寸前、私たちは無言で拳を揚げ、そっと合わせた。


【15:00】
未来演劇Kプロジェクト10周年記念公演「セカンド ~高ラカニ、軍艦島ノ鐘ヲ鳴ラセ~」 開演。


●公演レポ・嵐の千秋楽③に続く→

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