旧ブログに一度は載せて、記事消失した内容ですが、なけなしの記憶を頼りに再度記しておきます。

未来演劇Kプロジェクト10周年記念公演『セカンド ~高ラカニ、軍艦島ノ鐘ヲ鳴ラセ~は、2/28・29の2日間だけの公演だったので、29日が千秋楽でした。 初日の公演のビデオチェックのあと、演出・照明・音響・細かいテンポや立ち位置なんかを手直しし、2日目はより良い舞台を上演する準備は整っていました。

ところが、舞台裏では誰も予期していなかったアクシデントが起こったのです。
以下、時系列で書きますが、多少の前後はあると思います…。


【12:30】
主要キャスト・アラシ役の正樹が転んで右肩を脱臼。 今まで何度か脱臼したことがある正樹。入る時はすぐに入るけど、入らない時はかなり手こずるらしい。 
舞台監督・恭子がすぐに親戚の接骨医に連れていく。 たまたま楽屋にいた医療従事者のりんも同行する。


【13:00】
恭子から、なかなか肩が入らないと電話がある。 電話の向こうから正樹の叫び声が聞こえた。
私は脱臼の経験がないんでその痛みは分からないけど、入らない時は尋常やない位の激痛だそうな…。


【13:15】
「開演を30分遅らせないか?」 再び恭子から電話があった。
「もうちょっとで入りそうなんやけど…」 恭子とりんも、必死で正樹を押さえつけて治療しているらしい。

「30分もお客さんを待たせるわけにはいかん。 15分が限界。」 私は答えた。


【13:30】― 開場 ―
ゆうほが「15分押し」のアナウンスを入れ、スタッフたちが会場の数か所に貼り紙を貼りに行く。
大人たちのただならない様子に、ジュニアから出演している6人(ゆめ、まいな、まほ、あねら、みお、息子R)は不安になり、泣きだす。

同時刻、開演前にお祝いの言葉を頂くことになっていた今治市教育委員会、教育長さんが舞台裏を訪れる。


【13:50】
恭子に電話。 相変わらず正樹の悲痛な声が聞こえる。 「見よるんが辛い…! あと15分じゃムリ。」

公演中止にするか、それとも開演を更に遅らせるか。 15分待たせて、それ以上待って下さいと言えるのか? ほぼ出ずっぱりの正樹の代役は立てられない。 そして正樹は何としても舞台に上がろうとしている。

公演責任者であり、演出である私が決断をしなければならなかった。


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